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『1日1過去問』のカテゴリー内の記事を毎日1記事ずつ読むだけで、過去問の分析方法、国試に出るポイントが理解できるようになります。
今回は、必修問題から肝臓の機能に関する問題を解説しています!
また、肝臓の機能について国家試験に出るところを中心に解説し、肝機能低下の症状もセットで覚えられるようにまとめました!
肝臓ってね、ほんっとうにいろんな役割があって、とっても働き者の偉い子なんです!
私は臓器の中で一番肝臓が好きです。笑
そのくらい、肝臓ってめちゃくちゃ仕事してる!
その分、国家試験のために覚えなくちゃいけないことも多いんですが、肝臓の機能をマルッと覚えるだけで肝機能障害の理解に繋がるし、
実習で肝疾患の方を受け持った時にも、なぜその症状がでるのかがわかって面白くなります!
まずは、問題を解いて知識の確認をしてみましょう♪
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目次
問題
1.胆汁の貯蔵
2.脂肪の吸収
3.ホルモンの代謝
4.血漿蛋白質の分解
正解は、、、
、、、3.ホルモンの代謝です。
解説
1.胆汁の貯蔵は、胆嚢が行っており肝臓は胆汁を作っています。
2.脂肪の吸収は、小腸で行われ肝臓では脂質を代謝しています。
3.肝臓では、ホルモンの代謝をし、不活性化(働きを無くす)しています。
4.血漿蛋白質(アルブミン、フィブリノゲン)を作っています。
詳しい解説
肝臓の機能は、大きく分けて6つ!以下のようになります。
1.糖質代謝(グリコーゲンの貯蔵、ブドウ糖の合成)
2.タンパク質代謝(アルブミン・フィブリノゲンの合成)
3.解毒作用
4.脂質代謝(コレステロール合成)
5.胆汁の生成と排泄
6.ホルモンの不活性化
肝臓の機能はとてもたくさんあるし、体の多くの部分と繋がっているので、肝機能を覚えるとグワーッと知識の幅が広がります♪
私は肝機能を覚えたら、先生が授業で言ってることの意味がわかる!と感動しました!
では、以下で肝臓の機能を少し詳しく見ていきましょう。
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肝臓の機能を詳しく解説!
1.糖質代謝
小腸から糖質(グルコース・ブドウ糖)が吸収され血中に増えると、インスリンが分泌されて、血糖値を下げようとします。
(ちなみに、グルコース=ブドウ糖です。)
インスリンの作用により、グルコースはグリコーゲンというものに形を変え、肝臓に蓄えられます。
そして肝臓に蓄えられたグリコーゲンは、血中の糖質の濃度が下がると、再びグルコースに姿を変えて、血中の糖質濃度を上昇させます。
この機能が障害されると、うまく血中の糖質を肝臓に貯蔵できず高血糖になったり、運動時に肝臓から糖質を血中に移動することができず低血糖になったりします。
2.タンパク質代謝
肝臓で行われているタンパク質代謝のタンパク質と言うのは、細かく分けると、アルブミン・フィブリノゲンのことです。
これらのタンパク質を、肝臓で作っています。
アルブミンには、血液内に水分を保持する働きがあるため、アルブミンが作られなくなると、低アルブミン血症を引き起こし、血液内に保持しきれなくなった水分が血管外に漏れ出て、腹水や浮腫を引き起こします。
フィブリノゲンは、血液凝固(止血)の働きがあるため、作られなくなると出血傾向が現れます。
※グロブリンは、肝臓ではαグロブリンとβグロブリンが作られ、γグロブリンは主に形質細胞で作られます。
3.解毒作用
肝臓では、アンモニアや、アルコール、薬などの有害な物質を無害な形に解毒する作用があります。
体内でタンパク質を分解したあとに出るゴミの一つに、アンモニアがあります。
これは、人体にとって不必要なものなので、肝臓で無害な尿素に変換して排泄しやすい形にします。
しかし、この機能が障害されると、アンモニアが体内に蓄積し、高アンモニア血症を引き起こします。
高アンモニア血症は、肝性脳症という意識障害を引き起こします。
肝臓で薬が分解されないと、薬の成分がいつまでも体に残り、効果が大きく出てしまうことがあります。
4.脂質代謝(コレステロール合成)
肝臓では、体内に取り入れられたブドウ糖・脂肪酸・タンパク質からコレステロールを合成します。
そのため、肝機能が低下すると低コレステロール血症になり、疲れやすい、落ち込みやすいなどの症状が出ます。
5.胆汁の生成と排泄
肝臓では、胆汁を作っています。胆嚢で作っていると勘違いする人が多いですが、胆嚢は、胆汁を貯めておく場所です。
赤血球が壊れた後に出る間接ビリルビンを、排泄しやすい直接ビリルビンに変換し、胆汁として排泄しています。
ビリルビンの色は褐色のため、ビリルビンを排泄できないと、皮膚が黄色くなる黄疸という症状が出現します。
便の茶色や尿の黄色は、褐色のビリルビンが排泄されている色なんですよ☆
6.ホルモンの不活性化
肝臓では、体内で分泌されたホルモンを分解し、不活性化するという仕事をしています。
そのため、肝機能が低下してエストロゲン(女性ホルモン)が分解されないと、女性化乳房や、手掌紅斑、クモ状血管腫という症状が現れます。
エストロゲンは、毛細血管を拡張させる作用があるため、手掌紅斑・クモ状血管腫がみられます。
肝障害時の症状が出る根拠を詳しく解説した記事はこちらから↓
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国家試験の暗記ポイント
今回の国家試験のための暗記ポイントはこちらです!
肝臓の機能→機能低下時
1.糖質代謝→高血糖、運動時の低血糖
2.タンパク質代謝→アルブミン↓(浮腫、腹水)、フィブリノゲン↓(出血傾向)
3.解毒作用→高アンモニア血症、肝性脳症
4.脂質代謝→低コレステロール血症
5.胆汁の生成と排泄→黄疸
6.ホルモンの不活性化→女性化乳房、手掌紅斑、クモ状血管腫
練習問題
上記の内容を理解したうえで、類似の過去問題に挑戦してみましょう!
1.血小板増多
2.尿酸値上昇
3.血清アルブミン値低下
4.血中アンモニア値上昇
5.プロトロンビン時間短縮
正解は、、、
、、、3.血清アルブミン値低下と、4.血中アンモニア値上昇です。
1.血小板増多:肝機能が障害されると、門脈への血流が少なくなる→脾臓への血流量増加→脾臓の機能が更新して血小板の破壊が進み、血小板は減少します。
2.尿酸値上昇:肝臓の機能とは関連がありません。
3.血清アルブミン値低下:アルブミンは肝臓で作られるため、肝機能が低下するとアルブミン値は低下します。
4.血中アンモニア値上昇:肝臓でアンモニアは分解されるため、肝機能が低下すると分解されずアンモニア値が上昇します。
5.プロトロン時間短縮:タンパク質代謝機能の低下によりフィブリノゲンが合成されず、プロトロンビン時間は延長します。(出血傾向になる)
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まとめ
肝臓の機能はとても多くあることがわかりましたか?(゚∀゚)
上記の6つの機能と、その機能が障害された時に起こる症状はセットで暗記しておきましょうね♪
肝臓の機能が障害される、肝炎、肝硬変、肝臓癌の問題が出た時にも、この知識は役に立つはずです!
▼国試勉強の効率アップにオススメの記事はこちらです。
国家試験に絶対合格するための勉強方法は、
①過去問題を解く
②解説を読む
③より詳しい解説を読んで理解する
④国試に出るポイントを暗記する
⑤類似問題を解くこの繰り返しをひたすら行うことです。
自分で勉強する方法がよくわからない、まとまった詳しい解説を読みたい、こんな人はぜひこのサイトで勉強してみてくださいね!
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