この記事では、
・大動脈解離(解離性動脈瘤)の病態イラスト
・原因、分類、症状、診断、治療のまとめ
・国家試験で出題されるポイント
をまとめています。
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なかなか大動脈解離が覚えられないあなたは、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
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目次
大動脈解離とは?基本情報まとめ
大動脈解離の病態
動脈の壁の構造は、3層構造になっています。
外膜・中膜・内膜のうちの中膜が裂けるように解離し、血管の壁に血液が入っていってしまうのが、大動脈解離です。
大動脈解離の原因
大動脈解離は、高血圧、動脈硬化、マルファン症候群が基礎疾患にあると起こりやすいです。
血管が裂ける病気なので、高血圧で血管壁に負荷がかかっていたり、動脈硬化で血管がもろくなっていると高リスクです。
また、マルファン症候群は、骨・眼・心血管異常を合併する遺伝子疾患なので、大動脈解離の原因となることがあります。
大動脈解離の分類
大動脈解離の分類方法は大きく分けて2種類あります。
スタンフォード分類
これは、解離の範囲(どこからどこまで裂けてるの?)によって、A型とB型の2つに分類をします。
A型:上行大動脈に解離があるもの。急性期死亡が多い。重症。緊急手術が必要。
B型:上行大動脈に解離がないもの。破裂の危険が無い限り、保存的治療(降圧・安静)をする。
ドゥベーキー分類
これは、動脈のどの位置から血管の中膜へ血液が流入しているかと、解離の範囲(どのくらい裂けてるの?)で4つに分類します。
Ⅰ型:入口が上行大動脈にあり、そこから腹部大動脈まで解離があるもの。
Ⅱ型:入口が上行大動脈にあり、解離がそこだけに留まるもの。
Ⅲa型:入口が胸部下行大動脈にあり、解離がそこだけに留まるもの。
Ⅲb型:入口が胸部下行大動脈にあり、解離が腹部大動脈まで及ぶもの。
・より重症なのは、ドゥベーキー分類のⅠ型・Ⅱ型、スタンフォード分類のA型である。
なぜ上行大動脈に解離があると重症なの?
大動脈解離は、上行大動脈に解離があるかどうかで重症度が変わります。
その理由は、上行大動脈が心臓に近いから、というものがあります。
心臓に近い太い血管が裂けてしまうと、つられて心臓の周りの壁も裂けてしまい、血液が心臓の周りに溜まってしまいます。
これが、心タンポナーデです。
心タンポナーデというのは、心嚢内(心膜腔)に血液が貯留することで、心臓の動きが制御されてしまう命に関わる疾患です。
大動脈解離の症状
大動脈解離の症状は、いきなりの胸から腰・背部の激痛です。
合併症として、心タンポナーデや、胸腔内出血を起こして出血性ショックに陥ることがあります。
大動脈解離の診断、治療
大動脈解離の診断は、造影CTで確定します。
※なぜ単純CT(普通のCT)ではなく、造影CTなの?
造影CTというのは、造影剤という薬を血管の中に注入してCTの撮影をする検査です。
造影剤の薬は、血液に乗って運ばれCTで撮影すると画像に写るので、血管の病気を探すときによく使われます。
そのため、大動脈解離も造影剤を使ったCT撮影で、診断を確定します。
治療は、最も大切なのが血圧の管理です。
血圧が高いと、血管の壁に負荷がかかり、解離(血管が裂ける)のが進んでしまいます。
スタンフォードA型や、ドゥベーキーⅠ型・Ⅱ型は、上行大動脈が解離している重症のタイプなので、緊急手術を考慮します。
・大動脈解離の確定診断は、造影CT。
大動脈解離の国試暗記ポイント
・原因は、高血圧、動脈硬化、マルファン症候群。
・分類は、ドゥベーキー分類と、スタンフォード分類がある。
・より重症なのは、ドゥベーキー分類のⅠ型・Ⅱ型、スタンフォード分類のA型である。
・症状は、突然の胸から腰背部の激痛。
・合併症は、心タンポナーデ。
・治療は、血圧管理が重要。
・確定診断は、造影CT。
これらを覚えたら、大動脈解離の過去問題を解いて知識の確認をしましょう。
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練習問題
1.血圧の変動を防ぐ。
2.心筋酸素消費量を下げる。
3.末梢循環血液量を確保する。
4.ガス交換の効率を高める。
正解は、、、
、、、1.血圧の変動を防ぐです。
解説
この問題の疾患は、既往歴に高血圧があること、突然に背部痛が出現したことなどから、高血圧による大動脈解離が疑われます。
大動脈解離では、血圧の上昇が解離を悪化させる原因となるので、安静にし血圧の変動を防ぐことが最優先となります。
2.3.4.の解答も安静にすることで得られる効果ではあるが、大動脈解離の際に求められる主たる理由にはなりません。
問題
1.大動脈壁の外膜が解離する。
2.診断には造影剤を用いないCT検査を行う。
3.Stanford<スタンフォード>分類B型では緊急手術を要する。
4.若年者ではMarfan<マルファン>症候群の患者にみられることが多い。
正解は、、、
、、、4.若年者ではMarfan<マルファン>症候群の患者にみられることが多い。です。
解説
1.大動脈解離は、動脈を構成する外膜・中膜・内膜の三層のうち、中膜が解離することで起こります。
2.確定診断には、造影剤を用いるCTを行います。
3.スタンフォードA型のほうが重症で予後不良のため、緊急手術が必要になることが多いです。
4.マルファン症候群は、コラーゲン代謝異常の骨・眼・心血管に異常をきたす遺伝子疾患で、大動脈解離の原因となります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、大動脈解離(解離性大動脈瘤)の国家試験に出るポイントをまとめました。
この記事の暗記ポイントは絶対に覚えておくと、国家試験で役立ちます。
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※この記事は、厚生労働省の看護師国家試験出題基準を参考に作成しています。