こんにちは!もちゆきナースです。
このサイトでは、どこよりも詳しい解説、国家試験の暗記ポイント、過去問の解き方をお届けしています。
『1日1過去問』のカテゴリー内の記事を毎日1記事ずつ読むだけで、過去問の分析方法、国試に出るポイントが理解できるようになります。
今回は、血球の細胞のうち核を持たないものを選ぶ問題の解説、核のない血球の分化の流れ、なぜ核が無くなるかの理由、を説明しています。
目次
問題
まずは国家試験問題から解いてみましょう!
1.単球
2.好中球
3.赤血球
4.リンパ球
正解は、、、
、、、3.赤血球です。
解説
3.赤血球は、核が無く中央がくぼんでいるのが特長です。
詳しい解説
では、赤血球についてを中心に、詳しい解説をしていきますね♪
赤血球はどうやって作られるの?分化の仕方。
赤血球は、血液中の血球の元になる多能性幹細胞から作られる過程で、核が無くなるのが特徴です!
このように核が無くなることを、脱核と言います。
赤血球は、腎臓から分泌されるエリスロポエチンという造血ホルモンの作用を受けて、分化(形を変化)を進めていきます。
これが、血液中の血球の分化の一覧まとめです。

このうち、赤血球がどのように作られているかを細かく見ていきましょう!

赤血球の分化の流れは、腎臓から出たエリスロポエチンというホルモンが、骨髄にある赤血球の赤ちゃんである赤血球系幹細胞を刺激して、分化を始めます。
前赤芽球へと分化した後に、葉酸とビタミンB12が核を外して(脱核)、くぼんだ形の赤血球を作ります。
なぜ赤血球の核が無くなり、中央がくぼんでいる形をしているの?→中央がくぼんだ形をしていることで、球体よりも表面積が広くなって酸素の運搬が効率的になるから!
また、狭い血管を通過しやすくし、隅々まで酸素を運搬できるようになるから!
こんな理由があるようです(・∀・)
エリスロポエチンは、いつどこから分泌されるの?
エリスロポエチンは、腎臓から分泌される造血ホルモンです。
赤血球の分化を促す作用があるため、体内の酸素が足りない状況になると、「赤血球を増やして体に酸素を送ろう~!」と分泌されます。
つまり、エリスロポエチンは体内が低酸素血症に陥った時に分泌が促されます。
葉酸・ビタミンB12が足りないと何が起こるの?
葉酸・ビタミンB12は、赤血球を作る際に核を奪う役目がありましたよね!
その役割を担う葉酸やビタミンB12が欠乏すると、赤血球の核を奪うことができなくなります。
すると、核が残ったままの巨大な赤血球が作られてしまい、それは上手に酸素を運搬することができないため、貧血の症状が出現します。
これを、巨赤芽球性貧血と言います。別名を悪性貧血とも呼ぶので、両方覚えましょうね!
赤血球の分化の流れと、関与する物質の名前は国試に出るので暗記しましょう!
赤血球の国試暗記ポイントはコレ!
・エリスロポエチンは、低酸素血症の時に分泌される
・葉酸・ビタミンB12の欠乏は、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)の原因となる。
上記の内容を理解すれば、国試の過去問も解けるようになります!
下の練習問題を解いてみましょう!
問題
1.血圧の低下
2.血糖値の低下
3.腎機能の低下
4.動脈血酸素分圧の低下
正解は、、、
、、、4.動脈血酸素分圧の低下です。
解説
1.2.エリスロポエチンは、血圧や血糖値の変動による影響を受けません。
3.エリスロポエチンは、腎臓から分泌されるので腎機能が低下するとエリスロポエチンの産生も低下してしまい、腎性貧血になります。
4.体内の酸素が足りない時に、赤血球の分化を促すエリスロポエチンが腎臓から産生されます。
動脈血酸素分圧というのは、動脈の中にどれだけ酸素が流れているかの指標です。
問題
1.悪性貧血-ビタミンKの投与
2.再生不良性貧血-骨髄移植
3.透析中の腎性貧血-エリスロポエチンの投与
4.溶血性貧血-脾臓摘出
正解は、、、
、、、1.悪性貧血-ビタミンKの投与です。
(※誤っているものを選ぶ問題です。)
解説
1.悪性貧血は、ビタミンB12が不足して正常な赤血球が作り出せないことによる貧血です。なので、ビタミンKの投与ではなく、ビタミンB12の投与が必要になります。
2.再生不良貧血は、骨髄移植の適応です。
3.腎性貧血は、腎臓の機能が低下することによる貧血なので、腎臓で産生されているエリスロポエチンを投与します。
4.溶血性貧血は、赤血球の破壊を行っている脾臓の機能が亢進して起こることがあるので、脾臓摘出は適応です。
まとめ
いかがでしたか?
核が無い血球を選ぶ問題から、赤血球の分化についてまとめました。
問題を分析するときは、「赤血球に核が無いんだ。」で終わるのではなく、
なぜ核が無いのだろう?→赤血球の分化に関わる物質は何だろう?とつなげていくと、他の問題も解けるようになっていきます。
国家試験の勉強のコツは、問題の解析を一歩進んだところまでやってみること。そして類似問題で確認をすることです。
分析をきちんとできない人は、「赤血球は核が無い」ことしか覚えられませんが、今回の記事のように分析ができれば、「エリスロポエチン」「悪性貧血(巨赤芽球性貧血)」も覚えることができます。
確実な知識をつけていくためにも、このような勉強方法を身に着けてくださいね!
まだ分析方法がよくわからない人は、もちゆきナースの他の過去問題解説を読んで参考にしてみてください(*´ω`*)
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・国試の出題ポイントに沿って解説をしている
・暗記するべきところがまとまっている
・1問ずつの解説が、どの参考書やサイトよりも詳しい
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という特徴があります。
1日1記事を読むだけで、国試の点数アップ間違いなし!
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